WILD CHILD 〜極光〜１８ホグズミード行きを許可された週末も、マルフォイは図書室に籠もった。 彼に従おうとした二人にはお使いの名目で外出させた。調べている内容を悟られたくなかった。 ホグワーツ関係の歴史書はほとんど読破した。スネイプに無理を言って、閲覧禁止の書架にも手を伸ばした。それでも探している事柄について書かれている本を見つけることはできなかった。 根を詰めるマルフォイに呆れた司書教諭が休息を促した。詮索されることを恐れ、マルフォイは息抜きに中庭へ向かった。 あのときから、一ヶ月が過ぎていた。その間、なにもなかった。 気が緩んでいなかったと云えば嘘になる。昼間だという安心感もあった。 階段を下りようとして、マルフォイはなにかにぶつかった。誰もいない階段で、なにもない空間で。 驚く間もなく、腹部に鈍痛が走った。それきり意識は途切れた。 2002/1/5 UP← → |