WILD CHILD 〜極光〜２７「…な…に？」 彼の怒りが理解できない。 マルフォイは床に背をついたまま、彼を見上げた。 ローブが立ち上がり、マルフォイに腕を伸ばした。 恐ろしくなって、マルフォイは後ずさった。羽織るだけになっていたシャツに手が滑った。 空を漂うローブが確かな重量感を伴ってマルフォイにのし掛かり、見えない手が彼の細い顎を掴んだ。強引に上向けさせた。容赦のない荒々しさに、彼の怒りが現れていた。 「君はね、口走ったんだよ。彼の名を。僕に抱かれてるのに。君を抱いているのは僕なのに、ハリー・ポッターってね」 「嘘っ」 「うそなものか。…もう優しくできない」 床に叩きつけられた。呼吸が詰まる。 「僕はハリーの代わりかい？」 彼が嘯いた。 マルフォイは両腕を頭の上で交差させ顔を背けた。腕をねじり上げられ、強引に俯せにさせられた。 手を付いて振り返ろうとした。できなかった。 細い腰を両手で掴まれ、引き上げられた。獣のような姿勢だ。羞恥心で耳まで朱に染まった。 拒絶の言葉が溢れた。聞き入れられず、楔を打ち込まれた。 強引な侵入に、全身が悲鳴を上げた。繰り返し突き入れられ、ぱんぱんと高い音が響く。怒りと共に注ぎ込まれた熱に、体を焼かれた。 前のめりに崩れた体は、繋がったまま引き起こされた。腰を下ろした彼の上に座り込む恰好になった。 一度解放を迎えたそれは、マルフォイの中でまた熱く堅く大きくなった。 無限に大きくなるのではないか。恐怖心に体が逃げる。腰を浮かそうとした。両脇を掴まれ、逆に押さえつけられ、突き上げられた。切れ切れの悲鳴が、切なげな喘ぎに代わっていった。 （なんで、奴の名前なんて…） 最中にポッターの名を口走るなんて、馬鹿にも程がある。手荒く扱われても無理もない。相手にされない切なさを誰より知っているマルフォイには、彼の憤りがよくわかった。 彼を傷つけた。その痛みの方が大きかった。 2002/1/12 UP← → |